歯を抜かないための根管治療の再治療(Endodontic retreatment)

歯の根の先に自覚症状がある場合や、ない場合にの両方で、歯根のう胞と呼ばれる病巣ができた時、その歯は、抜くか、再治療で治すかの2つの選択になります。

その時、当然再治療で残すことを良い方法ですが、これが、アメリカでは、専門医に行かなくてはいけない難しい治療になります。

当クリニックでは、この難しい再治療で歯を抜かずに保存します。
また、治療回数も90%以上はわずか、1、2回で済みます。
(ただし、一回の治療に1時間から2時間かかります)


術前スクリーニングレントゲン

術前精密レントゲン

術前精密レントゲンの拡大図
(矢印のところに大きな病巣があります)

術中レントゲン
(一回目のアポイント時)

術直後レントゲン
(二回目のアポイント時)

2年後定期健診時のレントゲン
矢印の病巣は消失して治癒しています。

この歯根のう胞は、自然治癒することはなく、多くの場合自覚症状がなく緩慢に増大するため、気付いた時には抜歯しなければならない場合が多く、また、そのような歯を残すことは一般的にできる治療ではありません。
当クリニックでは、このような少ない回数で、なおかつ高い確率で歯を残す治療を行っております。

歯を抜かないための根管治療について(通院回数と時間)

適切な根管治療は、最も有効な歯を残す治療のひとつですが、そのために、最も難しい治療のひとつにもなっています。
初診時、矢印の部分の歯の根と、周りの骨が腐って腫れて、膿が出ています。

初診時レントゲン

上の丸の部分の精密レントゲンです。

1回目のアポイント
根管治療の再治療を行います。

1回目の治療終了時
歯の包帯のようなものをして、治療をおわります。
この時、膿があふれていますが、メスなどの切開や、手術をせず、通常の歯科治療のみで治療します。


2回目のアポイント
この日に再度、歯の保存剤を入れ治療を終了します。


2回目の治療終了時
前回のような膿や腫れは完治し、きれいになっています。

この後は、精密な差し歯の土台治療と、きれいなセラミックスの歯で天然の歯のように歯を再生します。

当クリニックでは、歯の根の治療に多くの回数通院する必要がなく、なおかつ、、歯を抜かずに再生させることが可能です。
ただし、歯を抜かずに残すには、一回の治療にはう約一時間から、2時間の治療時間が必要になります。

根管治療をより詳しく

根管治療の費用、料金、相場は今日ではインターネットで知ることができますが、歯を本当に抜かずに残したり、再生させたりすることは、正しい、検査、診断が必要不可欠になってきます。

良い根管治療の必要な条件(歯の土台)

良い根管治療の必要な条件にクラウンと呼ばれる、歯の被せものを根管治療の終わった後に被せて、失われた歯の組織を修復回復します。

その隊に、歯の根自体を修復回復してから、クラウンを被せる準備をします。この土台部分をコアーと呼び、このコアーを作る治療を専門的には支台築造と呼びます。

一般的には、このクラウンとコアーを差し歯と呼んでいると思われますが、根管治療の後に行う、コアー(支台築造)の質(方法)もよい根管治療には必要不可欠な条件となります。

このコアーは歯科医師が作るものと、歯科技工士が作るものがあり、また、材料の種類も、セラミック、金属、プラスチック、グラスファイバー、なと様々なものがありますが、当クリニックでは、歯科医師自身が責任をもって、この重要な部分の治療を作成し、材料も、最適なものを、その条件で診断判断し選択します。

このコアー(支台築造)が不完全になれば、また、この部分からの虫歯、細菌の侵入等にさらされ、治療が成功しなかったり、せっかく被せたクラウンが土台から抜け落ちたり、歯の根が破折したりするリスクが高まります。

そのような理由から、根管治療の際に重要な治療になります。

良い根管治療の必要な条件(かみ合わせ)

良い根管治療の必要な条件にかみ合わせの調和という要素が必要です。

歯の根の病気の起きる原因の一つに外傷性咬合というものがあります。

これは、噛むことによって歯にかかる強い咬合圧が歯の打撲させたり、神経を損傷することで歯の神経がダメになるものです。

この原因が、根管治療の術後にも起きれば、どんなに適切に根管治療ができていても、歯の根の病気は治癒しなくなります。

そのため、根管治療と合わせて、術後に被せるクラウンと呼ばれる歯の治療も根管治療の一つとして重要になります。

良い根管治療の必要な条件(仮歯)

良い根管治療に必要な条件の一つに仮歯の装着があります。

根管治療が行われている間は仮歯が基本的には装着されていなければなりません。

これはその期間に、隣や、かみ合う歯が移動してしまうことを防ぐ目的と、治療している歯の根(根管)に菌が入り込むのを防ぐ必要があるからです。

当クリニックでは、基本的に根管治療に先立ち、仮歯を作成してから、根管治療を行い、治療期間中は仮歯をつけはずしして治療を進めますので、周りの方に、治療中も気づかれずに治療が進められます。

根管治療の必要な歯とは

根管治療が必要な歯は、自覚症状がないままに病巣が大きくなり、腫れや、痛み、あるいは違和感が出たころには、レントゲンでかなり大きな病巣になっていることがおおくあります。

 

cyst1

 

術前に認められた歯の根の病気(歯根嚢胞)矢印の先の黒い影

 

cyst2

 

術後 病巣の消失(治癒)

外科的根管治療(歯根端切除術)とは

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(イメージ図は治療説明ソフト Consuit-PROより)

■なぜ、歯根端切除術(外科的根管治療、外科的歯内療法)が必要なの?

歯根端切除はいろんな場合の歯を残す事ができます。

→手術は診断にも役立ちます。もしレントゲンでは異常がないのに症状が治まらないというので あれば、歯根が割れてるのかもしれません。あるいは、歯内療法の時に完全に根管が見つけられなかったのかもしれません。こんなときは、手術によって問題を発見し治療します。

→時々根管がふさがっているため、根管がきれいにできなかったり、道具が届かなかったりすることがあります。こういう場合は、手術によって歯の根元の先をきれいにします。

→歯内療法を受けた歯は非常に長持ちするでしょう。しかしながら、治療を受けた歯の中には治 癒しない場合があります。そういったケースでは治療が成功したあと数年たってから痛みが出 たり、おかしくなることがあります。こんなときこそ、歯根端切除で歯を残せるのです。

→手術は感染した根元やその周りの骨に対しておこなわれます。    歯を残すための外科的処置には多くの種類がありますが、ほとんどの場合、歯根尖切除と呼ばれるものが行われます。歯内療法をしたあとでも根尖付近に炎症や感染が続く場合は、この方法が最適な治療であることが臨床において多くみられます。

■歯根端切除とは何?

この処置は根尖付近の骨に穴を開けるために歯ぐきをめくり、炎症や感染した組織を取り除きます。その時、根元の先もわずかに取り除きます。そして、根元の先をふさぐために、そこにつめものをします。1カ月後にはそこに骨ができてきます。

■この処置は痛いですか。    局所麻酔を用いますので、ほとんど痛みはありません。もちろん術後傷が治るまで少し腫れたり、違和感があるかもしれません。でもこれは他の外科的処置と同じ普通の事です。術後は痛み止めを処方していますのでそれを飲めばほとんど問題ありません。

■歯根端切除を選ぶ理由は?

日常臨床において、よく歯の保存のための治療が難しい場合すぐに抜歯されることがあります。しかし抜歯した場合、そこは咀嚼機能を回復したり歯のない状態になってしまします。そこで、この、根管治療の再治療が不可能な歯でも、歯を抜かずに残すチャンスとして、この治療法を用いることが有効になることがありからです。

根管治療(歯内療法、歯の神経、歯の根っこの治療)の再治療

■二度目の歯内療法(歯の神経の治療)

〜2回目の歯を作るチャンスです。〜  正しいお手入れをしていれば、ほとんどの歯内療法(根管治療)を受けた歯は、他の天然の歯と同じくらい長持ちします。しかしながら、時として、歯内療法を受けた歯は、治らなかったり、痛みが続いたりします。そして、仮に治療が成功しても痛みが出てきたり、他の問題が生じたりすることがあります。もし治らなかったり、新しい問題が出てきても、2回目のチャンスがあります。それは、もう一度歯内療法をすることによって、歯を救える可能性があるかもしれないということです。

■なぜ、再歯内療法が必要か?    歯科医師が、初期治療を行った際、以下のような様々な理由で、治癒が期待できないことがあるかもしれません。    ○根管が狭窄、婉曲していたため、最初の治療で治癒されなかった。  ○最初の治療の時に完全な根管の構造が、見つけられなかった。  ○治療後、適切な時期にクラウン(金冠)や他の修復がされなかった。  ○修復物(金や銀等のつめもの)が歯の内側を汚染する唾液を防げなかった。   新しい問題は、成功していた治療が危うくなる可能性もあることです。  ○新しい虫歯が、根充材(神経を抜いた後につめられるもの)を細菌にさらし、歯の中の新しい  感染を引き起こす。  ○すき間があったり、割れたり壊れたクラウン(金)や充填剤が新しい感染を引き起こす。

■再治療で、どうなるか?

最初に歯科医師はどの治療が最適か話すでしょう。もし、あなたが再治療を選択すれば、歯科医師は、根充材を除去するために、根管を再び開けます。多くの場合、複雑な修復物(クラウン、ポスト、コアー材料)が、根管に到達するために外されたり、取り除かなければなりません。  根充材の除去後、歯科医師は根管をきれいにし、治療が必要な側枝をきれいにした後は根管をふさぎ、歯に一時的な充填をします。ポストのスペースも、この時期に形成されるかもしれません。歯科医師の最終治療後、できるだけ早く歯を守ったり完全に機能させるための新しいクラウンや、他の修復物を施すために、型を取る必要があります。  もし、根管が狭窄していたり、ふさがっていたら、外科的処置をすすめるかもしれません。この手術は、根尖(根っこの先)をふさぐために根尖近くを切開することも含まれます。   ■治療は私達にとって最良の治療ですか?    再治療された歯は、わずか数年だけでなく何年も機能し、それは将来も十分に機能させることも可能です。それは再治療することが、あなたにとって歯を救うための最良の方法であると信じてよいでしょう。  技術の進歩は常に根管治療の方法を進歩させ、最初に行った治療以上の新しい治療方法を施すでしょう。もし最初の治療で、特異な根管をもった歯がきれいにされなかったり、ふさがれていなかったりしても、2回目の治療で解決することが出来るかもしれません。もちろんどんな歯科的、医療的治療も完全を保証することは出来ません。しかし歯科医師は、再治療前よりも成功するチャンスがあるといえるでしょう。

■その治療は、いくらかかりますか?

治療費は、治療がどれだけ複雑かによってかわってきます。その治療は、一回目の治療よりもはるかに複雑なものです。なぜなら、新しい治療のために修復物や、充填物を歯を傷つけずに慎重に取り除かなければならないからです。それに加え、通常の位置にない根管を探すのに、余分な時間を費やすかもしれません。だから最初の治療よりも、もっとお金がかかるかもしれません。

■再治療のために、何が選択されるか?

いくつかの再治療を考える患者さんにとって、外科的歯内療法もひとつの方法です。この外科手術は、根尖付近を切開し根尖をふさぎます。外科的歯内療法は再治療やその他の方法と共にすすめられるかもしれません。歯科医師はあなたにとってどの治療が最適かについて話すでしょう。  他に選択できる方法は、歯を抜く方法のみなのです。抜かれた歯は、インプラントやブリッジや取り外し式の部分入れ歯によって、咀嚼(かむ)機能を回復し、隣の歯の移動による傾斜を防ぎます。隣の健康な歯に対する歯科治療や広範な手術は、それらの再治療や天然歯より、もっとはるかにお金や時間がかかることでしょう。  いかに現代の歯科治療がすばらしくとも、天然歯にまさるものはありません。あなたはすでに歯を救うための投資をしているのです。再治療の費用は、健康や機能的な天然歯のために、長い目で見れば、割に合うことでしょう。