小児の顔と顎の成長発育について

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頭の成長発育について

頭(頭蓋骨)の成長は脳の発育と非常に深い関係にあり、また、顔面部の発育と比べると、非常lに早く、新生児で成人の約60%が完成し、その後、2歳までの間の成長スピードはかなり速く、また、6歳で成人のほぼ80%が完成し、その後、およそ、身長の伸びが止まる時期まで10年ほどかけて、完成する。

上顎の成長発育について

上顎(上顎骨)は、3歳前後までが、成長量が多く10歳ぐらいまでは、下顎より、成長量が多く、成長スピードが早い。その後は成長量と、成長スピードが緩やかになる。

また、上顎の成長方向は、前下方向に成長し、高さや深さが増してくる。幅の成長はそれらと比べ比較的少ないので、矯正装置で、顎を広げてあげることが有効な治療法として使われます。

このことは、10歳までに下顎前突(受け口)気味であれば、下顎が上顎の成長を抑制(妨げる)し、上顎の劣成長気味の顔貌になりやすく、歯並びのための矯正というよりは、顔貌の発育のための矯正治療が主な目的になり、また、必要になると考えられる理由です。

 

下顎の成長発育について

下顎(下顎骨)は、10歳ぐらいまでは、上顎より、成長量は少なくく、成長スピードも遅いが、思春期になると、成長量と、成長スピードが多くなり、特に男子は13歳から16歳ぐらい、女子は少し早く、12歳から14歳ぐらいである。

このことは、小学生が、出っ歯のように見えても、成長と共に、正常な口元になることが多いのは、それが理由で、また、その時期に下顎前突(受け口)気味であれば、その後は、更に受け口の傾向が強くなることも予測され、矯正治療でコントロールできるのか、あるいは、骨格的な成長を見届けなければ、治療の安定が難しくなるか判断する必要あります。

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