「一口腔・一単位」治療の実際

「一口腔・一単位」治療の実際

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この写真は、審美的な不満で来院された患者さんのお口の写真です。これまでかなり審美的な要求が強かったことがわかるお口です。一般的に1本10万円はすると言われるセラミックの歯の治療が上の歯だけでも5本も見られます。かなりの費用をかけて治療されたのがわかります。しかし、果たしてこの治療は、患者さんのほんとうの要求(審美)と歯の健康維持に応えているのでしょうか?
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これは先の写真と同じ方のお口の、正面からの写真です。
まず、上の前歯4本について。この4本は審美な面からも重要で、人と接する際の印象に大きく影響する歯です。しかし、左右がばらばらで歯ぐきの線もふぞろいで黒くなっています。次に、奥歯について。「噛み合わせ」という機能的な面が重要な歯なのですが、ちょうど右側の奥歯どうしが噛み合っていない、ことが分かります。
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この段階から引き継いだ場合は、どういった治療をするのが良いのでしょうか? そこで「一口・一単位」治療、という考え方が大切になってくるのです。
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以下は「一口腔・一単位」治療の実際例です。
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(1)まず、詳しい検査をします。
検査項目の一つとして、上の写真のような検査をします。これは「顔と口のバランス」「あごの関節と口のバランス」を調べる検査です。
専門の装置を使って、審美面と機能面と両方のチェック行います。これは、患者さんにとって、その両面から最善と言える治療を行うためです。
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(2)検査結果に基づいて正確な診断を行ない、治療計画を立て、「口腔模型」を制作します。
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(3)写真のように、口だけでなく歯の実際の噛み合わせやあごの動きまでも精密に再現します。 
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(4)口腔模型は「治療前」と「治療後」の2つについてそれぞれ、歯並びを比較・予測しながら歯科医自身がみずから制作しす。写真の右が「治療前」、左が「治療後」の予測模型です。この「治療後」の方の模型が、治療が目指す「ゴール」に該当します。確実なゴールを見つけることができて初めて確実な治療をスタートできるのです。このような治療方法が「一口腔・一単位」と呼ばれています。


(術前)
精密な検査により2本の要抜歯の歯を含む12本のよう治療歯がありました


(術後半年の検診時)
一本の抜歯もせず、虫歯と歯槽膿漏を完治させ定期健診に来院してもらっています


(術後4年の検診時)(この症例は、現在10年目で定期健診のみで通われています。)

このような検査、診断、治療と術後の定期検診の進め方で新たな虫歯や歯槽膿漏を予防することで最初の写真のようなお口の悪化を防ぎ健康で若々しい口元をたもつことができるとおもいます。

 

CAD/CAMシステムによるデジタルデンティストリー (上顎小臼歯のセラミッククラウンキャラクタライズ)

審美エリアのセラミッククラウン治療をCAD/CAMシステムを使い、さらにより天然歯に近い状態に仕上がるよう、ステイニングというテクニックでキャラクタライズ(個性的仕上げ)して治療しています。

またセラミックの素材は、e-maxと呼ばれる強度があり審美性の高い二ケイ酸リチウムガラスセラミックスで作成しています。

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CT、CAD/CAM、レーザー等の最新歯科医療器材による根管治療の診断および治療

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初診時パノラマ画像
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初診時口腔内

初診時自覚症状はなく、検診目的で検査。その際、レントゲン写真で、右上6番(奥から2番目)の歯根部分に病巣様の像が認められたため、CTにて精査。

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CT矢状断画像
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CT前頭断gががzがぞがぞう画像
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CT冠状断画像

病巣の大きさ、位置、歯根の形状等を正確に確認(レントゲンのみでは困難)

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銀歯の下の虫歯
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根管治療に際して、仮歯のための形成後、口腔内3Dスキャナーですぐにバーチャル歯型を採り、CADソフトウェアーで仮歯をミリングマシーン(歯を作るロボット)で作成しておきます。そして、同時に根管治療を続けます。
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内部の虫歯を歯の根管に押し込まないよう、虫歯をきちんと取り除きます。
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根管治療前に多くの虫歯の残存がありきちんと取り除きます。
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レーザーの虫歯診断機を応用して、歯の内部の虫歯の残存を調べます。
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虫歯が完全に取り除かれた状態で、初めて根管治療に移ります。

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多くの感染物や、壊死歯髄が出てきます。

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根管治療がきちんとできた状態で、消毒、根管治療用のお薬を入れます。

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治療が完了するまでの間の、唾液や、細菌の根管、および、歯周組織への侵入を防ぐとともに、隣在歯や、対合歯の移動を防ぎながら、日常生活が元通りできるようCAD/CAMで作成した仮歯を装着し根管治療を終えます。

CTと最新コンピューター技術によるインプラント治療の際の骨密度の評価

丈夫で安定したインプラント治療を行うには、治療の前に、その部分の骨の評価が重要であり、術前に、その骨の状態を把握しておくことで、最適な手術方法が選択され、より安全で確実なインプラントの手術が可能になります。

その際、クリニックでは、院内で撮影したCTをインプラント治療シュミレーションソフトで分析し、下記のような評価法と対比させ、骨の状態を判断に用いています。

ハウスフィールド値

骨の評価を5段階に分類し、その情報をもとに、手術方法を微妙に変化させます。

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たとえば、このインプラントをいれる部分の骨は、mean 932となっているため、D2の十分な骨の硬さがあるため、安定したインプラントになりやすく、また、インプラントが安定するのに、短期間で済むことがわかり、インプラントの治療の期間が短くて済むと予測できます。

また、患者様のインプラント治療を予定している部分の骨も、同じ患者様であっても、骨の薄い部分、弱い部分、柔らかい部分などがあり、インプラントが最も安定しやすい部分を調べてから、手術時の最大の安定と、術後の長期的な安定の両方のバランスが取れた部分に、インプラントの長さや、太さ、角度などを決定し、インプラントの手術を行います。

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mean値を確認しながら、骨の状態を調べ、把握します。

 

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最も骨の硬い部分を中心に安定しやすい場所にインプラントのシュミレーションをします。

また、この評価を経年的に評価し、レントゲンだけはわからない、骨密度の変化や、影響による、インプラントの調整を行うことで、たとえば、10年で骨の密度が20パーセント程度落ちた場合、インプラントの歯にかかる咬み合わせの力の負担も20パーセント程度調整するといった、インプラントのメンテナンスに応用しています。

CTについての詳しい情報はこちら

CTによる根管治療(歯の根、歯髄治療、歯内療法、歯の神経治療)の診断と治療評価

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歯根嚢胞による歯の喪失、抜歯、骨欠損を避けるために、根管治療(歯の根、歯髄治療、歯内療法、歯の神経治療)はとても重要な治療になりますが、その治療の成否を正確に評価するために、従来のレントゲンによる、診断、治療評価のほかに、CTによる方法が、より優れている場合があります。

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CTのデータをコンピューター処理により3次元評価できるようにした画像です。

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上のCT画像3次元処理の画像です。

レントゲンで認められた下の前歯の歯の根の先にある病変の状態がわかりやすく観察できます。(下の前歯の根の先の顎の骨が穴が開いたようになっています。

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術後6か月目の定期検診時のレントゲンです。

歯の根の先の病変は縮小傾向にありますが、まだ消失していません。

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術後10か月目の定期検診時のレントゲンです。

歯の根の先の病変は更に縮小傾向にありますが、まだ消失していません。患者様の年齢を考慮しても、通常はこれぐらいの期間で、治癒するか、消失して完治しますが、レントゲンではまだ、治癒していないようにも見えます。

 

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CTによる評価です。

術前のCTと見比べるとかなり治癒してきているのがわかります。

更に従来のCTは、最新のコンピューターデジタル処理により、より有効な、治療評価をすることができます。

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術前のCTによる嚢胞の大きさの計測(画像をクリックすると拡大)

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術前のCTによる嚢胞の大きさの計測(画像をクリックすると拡大)

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術後のCTによる嚢胞の大きさの計測(画像をクリックすると拡大)

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術前のCTによる嚢胞の大きさの計測(画像をクリックすると拡大)

 

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術後2年 ほぼ病巣が消失し、歯の根の先の骨が再生し、治癒しました。

正確に治癒傾向を確認できる。

 

CTによる根管治療の精密検査

最新の歯科治療では、CT検査の歯科への応用と、コンピューターの進化による、画像処理技術がにより、より、リアルに、より正確に様々な病気の早期発見に貢献することにより、早期治療による、歯とお口の健康管理に役立っています。

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口腔内所見では異常が認められず、自覚症状もない。

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レントゲンにより、4本すべてに根尖病変が認められる。

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(画像をクリックで拡大)

レントゲン同様、大きな根尖病変はみられるが、それが、鮮明に確認でき、更に、レントゲンでは、上顎洞粘膜が炎症を起こしている場合、白く曇る程度で、読影がむずかしい粘膜等の軟組織の読影、診断が容易である点がCTが圧倒的に有効な診断検査であることがわかる。

上顎洞粘膜の炎症はみられないため、上顎洞炎(蓄膿症)の心配は、現在のところないことがわかる。

北山吉川歯科クリニックでは、最新のCT設備と、コンピューター診断設備により、その場で、正確な診断が可能です。

CTによる歯性上顎洞炎の鑑別診断

上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)には、鼻に関係するものが原因の鼻性上顎洞炎と歯の病気(疾患)が原因の歯性上顎洞炎に区分されます。

つまり、上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)は鼻に関係する原因の鼻性上顎洞炎は耳鼻科で治療が行われますが、歯が原因の歯性上顎洞炎に関しては、歯科医院にて、あるいは、耳鼻科と歯科の両方の科による治療が必要になります。

歯性の上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)は主に、上顎の小臼歯および大臼歯部の歯周組織の炎症が上顎洞粘膜に波及し、歯性の上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)を生じさせ、その原因になるのは、主に、歯の根の病気(いわゆる歯の神経の病気)の歯根膿瘍、歯根肉芽種、歯根嚢胞や、歯槽膿漏(歯周病)があげられます。

CTによる、歯の根の病気の診査と、上顎洞炎(蓄膿症)、歯性上顎洞炎への影響と、鼻性上顎洞炎との鑑別診断

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(画像をクリックして拡大)

歯根嚢胞は認められるが、上顎洞炎は認められないタイプ(ステージ、段階)の歯の根の病気

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(画像をクリックして拡大)

歯根嚢胞が認められるが、上顎洞炎に移行しているタイプ(ステージ、段階)の歯の根の病気

 

上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)には、鼻に関係するものが原因の鼻性上顎洞炎と歯の病気(疾患)が原因の歯性上顎洞炎に区分されますが、歯が原因の歯性上顎洞炎に関しては、歯科医院にて、あるいは、耳鼻科と歯科の両方の科による治療が必要になります。

その際、歯科医院にては、原因歯の消炎治療と上顎洞炎に対する抗生物質の処方、投与による治療、画像診断による経過および治癒の観察、耳鼻科との協力治療においては、歯科医院での原因歯の消炎治療と、耳鼻科での上顎洞炎に対する抗生物質の処方、投与による治療、画像診断による経過および治癒の観察の流れになりますが、この際に、原因歯の消炎治療として、歯が抜歯されることがほとんどで、歯を抜かずに治療することは非常に困難なことですが、当クリニックでは、歯槽膿漏が原因でない場合は、歯を抜歯せずに根管治療による歯の保存と同時に、抗生物質の処方、投与による治療と、特殊レントゲンおよびCT撮影による治癒の診断を行っております。

 

歯性上顎洞炎の治療とCTによる治療診断評価の記事もご参照ください

 

CTによる骨密度の測定について

当クリニックでは、撮影したCT画像を特殊なソフト(アプリケーション)で骨密度測定の参考に用いて、治療の術前、術後の予後観察を行っております。

 

京都 北山吉川歯科クリニックのインプラントについては、当クリニックのインプラントHP、または治療ブログのカテゴリーからインプラントを参照してください。

CT検査

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当クリニックでは、当クリニックに設置された最新のCT撮影設備で撮影を行い、CT(コンピューター断層撮影法 Computed Tomographyの略)で撮影された頭部をさらに、最新のコンピューター画像処理システム(当クリニックはクリニックのシンプラントSimplant ProおよびSIERAというソフトウェアーで処理解析)して診断、およびシュミレーションを行っております。

また、撮影したCTのデータはクラウドやプライベートサーバーにて管理し、耳鼻科をはじめ医科の他科とのやり取りや他の歯科医院様においてCTの設備の有無にかかわらず、画像診断のやり取りができるよう、フリービューアー付の診療情報提供や、汎用データ出力でのやり取りが可能です。

 

京都 北山吉川歯科クリニックのインプラントについては、当クリニックのインプラントHP、または治療ブログのカテゴリーからインプラントを参照してください。