インプラントの進化の流れ

デンタルインプラントの治療は人類の第2の永久歯そして現在可能な最も確実な再生治療であり、そのインプラントの治療の歴史は50年以上前にさかのぼることができます。

デンタルインプラント(歯科インプラント)の治療は、組織学的にすでに解明がなされていて、チタンは他の金属と違い非常に身体親和性に優れており、今日では臨床治療において不可欠は治療法になっています。

また、この50年以上の間に、インプラントも第一世代、第二世代、第三世代、第四世代と進化してきています。

第一世代のインプラントはチタンが骨と結合し、固定することで、顎の骨に人工歯根(チタンのインプラント)をいれ、入れ歯を固定して、一度失った歯をもう一度取り戻し、よりしっかり噛める歯にすることを可能にしました。
第二世代のインプラントは、インプラントの手術や処置の術式がより容易になり、患者様の手術負担が減り、より臨床的に安全で身近な治療を可能にしました。
第三世代のインプラントは、安全で安定した治療として確立し、更に、審美性もほとんど天然の歯と見分けがつかないぐらいのクオリティーが満たされる治療を可能にしました。
第四世代のインプラントは、安全で安定し、審美性も高く、更に手術の負担が格段に少なくなり、また、歯を抜くと同時に歯を入れることが可能になりました。

 

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インプラント治療の際の骨密度の評価

丈夫で安定したインプラント治療を行うには、治療の前に、その部分の骨の評価が重要であり、術前に、その骨の状態を把握しておくことで、最適な手術方法が選択され、より安全で確実なインプラントの手術が可能になります。

その際、クリニックでは、院内で撮影したCTをインプラント治療シュミレーションソフトで分析し、下記のような評価法と対比させ、骨の状態を判断に用いています。

ハウスフィールド値

骨の評価を5段階に分類し、その情報をもとに、手術方法を微妙に変化させます。

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たとえば、このインプラントをいれる部分の骨は、mean 932となっているため、D2の十分な骨の硬さがあるため、安定したインプラントになりやすく、また、インプラントが安定するのに、短期間で済むことがわかり、インプラントの治療の期間が短くて済むと予測できます。

また、患者様のインプラント治療を予定している部分の骨も、同じ患者様であっても、骨の薄い部分、弱い部分、柔らかい部分などがあり、インプラントが最も安定しやすい部分を調べてから、手術時の最大の安定と、術後の長期的な安定の両方のバランスが取れた部分に、インプラントの長さや、太さ、角度などを決定し、インプラントの手術を行います。

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mean値を確認しながら、骨の状態を調べ、把握します。

 

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最も骨の硬い部分を中心に安定しやすい場所にインプラントのシュミレーションをします。

また、この評価を経年的に評価し、レントゲンだけはわからない、骨密度の変化や、影響による、インプラントの調整を行うことで、たとえば、10年で骨の密度が20パーセント程度落ちた場合、インプラントの歯にかかる咬み合わせの力の負担も20パーセント程度調整するといった、インプラントのメンテナンスに応用しています。

CTについての詳しい情報はこちら

歯を抜けたままにしておいたときの歯の移動

虫歯や歯槽膿漏(歯周病)、歯の根の病気などで 歯を失った部分を放置しておくとかみ合う歯や隣の歯が移動してきます。

そのようなことを防いだり、奥歯でしっかり噛むためにも、インプラントが必要になる場合もあります。

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すべての歯がそろっていたとき

 

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奥歯がなくなってから、数年たった状態

レントゲン右側のいちばん奥の歯が歯列より下に下がってきています。

グラグラのブリッジの抜歯と同時のインプラントと仮歯

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ブリッジを支える歯の根が割れ、ブリッジがグラグラするとともに、噛むと痛みが出て、食事ができない状態でした。

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ブリッジを外します。

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割れた根の抜歯と5本のインプラントの治療を行いました。(抜歯した部分にもインプラントを入れています。)

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割れていた歯根(歯の根)とブリッジ

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すぐに仮歯をいれて、元通りの歯のある状態で帰宅してもらいます。

治療時間は、インプラントの手術を仮歯の装着まで、およそ1時間で終わります。

北山吉川歯科クリニックでは、抜歯をしても、その日にインプラントができるので、基本的にこのような治療方法を行っており(通常このような治療は極端に難しい治療で、高度の技術と経験が必要なため行なわれていない治療法です。)痛みのある手術を2回する必要がなく、また、歯が抜けたままにならないため、周りの方に気づかれず、日常生活への影響も少ない治療方法です。

ねじ穴の見えたインプラントのやりかえ

インプラントの治療には、様々なやり方があり、インプラントをした部分に、セラミックの歯を被せ、天然の歯の差し歯と同じように、接着剤、セメントで、固定し、天然の歯のように見せる方法と、インプラントをした部分に、セラミックの歯を被せるために、スクリュー(ねじ)で固定する方法と、インプラントをした部分に、差し歯のような歯の形ではなく、入れ歯を固定するために、スクリュー(ねじ)で固定する方法のおおよそ3つのタイプのインプラント治療がありますが、場合によっては、ねじの部分が見えることによって、審美性が阻害されるため、北山吉川歯科クリニックでは、基本的に、ねじ穴の見えないインプラントの治療を行っております。

また、全体のかみ合わせ治療が必要な場合、インプラントをやりかえる必要が、ある場合は、インプラントの手術はせずに、被せるセラミックだけをやりかえて、きちんとした、咬み合わせや歯並びにします。

 

患者様が、審美性を気にされ、他の虫歯治療、根管治療と一緒にやりかえた治療

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術前(両側の奥歯のインプラントのねじ穴が見えています。)

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術後(他の虫歯治療、根管治療と一緒にやりかえました。)

全体の歯の咬耗、磨耗による咬み合わせ不全の改善と、前歯の歯の神経の保護のための治療

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術前(一番奥の、インプラントのねじ穴がみえていて、全体の歯の咬耗、磨耗が著しい)

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術後(咬み合わせの改善と、歯の咬耗に対する治療に伴って、ねじ穴の見えたインプラントをやり変えました。)

入れ歯にならないようにするインプラントの治療

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このような状態の歯の場合、歯の部分の入れ歯の製作の必要と、反対の部分の、歯の治療による保存と回復が必要です。

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歯のない部分は、顎の、骨や、歯ぐきも痩せていて、部分入れ歯の安定も、難しく、また、インプラントの治療も難しい状態でしたが、インプラントにより、永久歯の再生のような治療ができました。

反対側の銀歯の部分も、被せの歯の内部の虫歯の進行による、土台部分の腐食、また、真っ黒になった歯の部分は、歯の根の内部まで、虫歯が進行し、抜歯と同時にインプラントで治療し、その日に、仮歯で歯が抜けた状態にならないようにして、治療を進めました。

また、左右に、バランスよくインプラントが配置されることで、将来、残りの歯が、歯槽膿漏や虫歯で歯が無くなった場合も、ブリッジによる治療で、入れ歯にならない治療が可能になるインプラント治療のメリット、インプラントの利点を生かしたお口の管理ができる歯の状態になりました。

 

先天的歯牙欠損に対するインプラント治療(前歯のインプラント)

歯科治療には、虫歯や、歯槽膿漏に対する、生活習慣や加齢による疾患(病気)への治療やケアーのほかに、生まれつき、あるいは、遺伝的影響等による、先天的な疾患(病気)への治療やケアーを行うものがあります。


初診時(右上犬歯がありません)

初診時、側面観

初診時全体レントゲン

患部拡大レントゲン
(先天的永久歯欠損による乳歯の犬歯の破折脱落)

即時インプラント治療による欠損永久歯の回復

術後側面観

術後正面観

この患者様の場合の治療の選択肢としては、前歯(犬歯)のない部分へは、両側の歯を削ってブリッジにする治療か、デンタルインプラントによる回復か、一本入れ歯による回復かの3つの選択になりますが、トータル面から判断する、専門家からの優先治療は、

1、インプラントによる回復(両側が健全な歯のため)

2、ブリッジによる回復
(両側の歯が、すでに虫歯や、差し歯の場合に優先としてもいい)

3、1本入れ歯
(両側の歯の支えの負担や、虫歯リスクは回避できないこともある)

以上の理由で治療を選択しますが、現在、話題のips細胞の歯科臨床応用が現実化し、実現すれば、また、その時代には、治療方法や、治療選択が変化しますが、今、現在の歯科おける、再生治療としては、このような、インプラント治療も決して、評価の低いものではなく、患者様のQOL(クオリティーオブライフ 生活の質の向上)の面から考ええば、非常にありがたい現代治療といっても過言ではないといえます。

 

ドイツの歯科(インプラント治療)治療のメンテナンス

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ドイツでインプラント治療を受けた邦人患者様の術後メンテナンスをインプラントの日本法人からの紹介で行うことになった際のことを通じて、インプラント治療のにおける検査、診断、一口腔一単位の治療の必要性をご説明します。

紹介状というよりは、アストラテックインプラントというヨーロッパをはじめアメリカ、日本、その他の世界中で最も良いインプラントメーカーの治療を証明する保証書みたいなものです。

 

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初診時、インプラントのメンテナンスチェックのほかに、以前日本で受けた、多くの虫歯や根管治療の不良がみられ、これらは将来、インプラントが必要になってしまう歯の予備軍として、本来、ドイツの歯科医師もインプラントの治療より先に、患者様に十分インフォームドコンセントを行っておくことが、患者様の歯科的健康の観点から大切で、特に緊急性のある虫歯治療はインプラントと同じか自分の歯の健康を保つ、それ以上に大切な治療や方法を検査、診断、説明(治療するしないは別としても)しておくことが望ましいと感じました。

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メンテナンスを希望されている範囲で、緊急性のある虫歯のみを治療し、定期健診で経過観察を行ってきましたが、あちこちが外れたり、傷んだりするため、思い切って、きちんとした治療を受けられることになりました。

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右下、大きな虫歯と根管治療

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左下 大きな虫歯と根管治療

 

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右上 大きな虫歯と根管治療

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全体の虫歯治療と根管治療と親知らずの残根の抜歯(ドイツの歯科医が抜けずに放置していたもの)

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術後

一口腔一単位の全体的な予防治療で、既存のインプラントのメンテナンス容易にし、追加のインプラントを不要にするための治療が完了しました。

ドイツでも、アメリカでも、検査、診断、治療がきちんとしている病院は、ほぼ、トップ10パーセント程度でしょう。

 

 

インプラント治療の際のCT

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インプラント治療を診断、計画、メンテナンスする場合、CT検査は、非常に大切な検査にになります。

特に、インプラント治療の前に、顎の骨の状態を調べ、レントゲン検査と合わせて、どのように治療を進めることが良いインプラント治療になるかを診断、計画することが非常に重要です。

また、CT検査は単に、CTを撮影するのではなく、CTのデータをコンピューターのソフトで様々に分析し、また、インプラント治療シュミレーションソフトにより、インプラント治療(インプラント手術)のバーチャルシュミレーションを行うことができます。

そのほか、顎の骨の長さや幅、骨の密度の評価、下顎の場合、インプラント手術で特に注意の必要な、下歯槽管(下歯槽神経、下歯槽動脈)の位置や状態、上顎の場合、上顎洞(副鼻腔)や鼻腔また、その内部の粘膜の状態、切歯管などの位置や状態などをより正確に捉えることができ、より安全で安心のできるインプラント手術を受けられます。

院内のCTによるCT撮影を行います。

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CTの元データイメージ

 

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矢状断(横からの断面、左右的な断面)

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前頭断(前からの断面、前後的な断面)

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冠状断(上からの断面、上下的な断面)

 

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ボリュームレンダリングによる3Dイメージ処理

 

上記のようなデータをさらに、院内の特殊なインプラント治療シュミレーションソフト(コンピューターガイド)により、精密分析処理します。

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3Dイメージ(顎骨)でのインプラント治療シュミレーション

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3Dイメージ(皮膚、軟組織)でのインプラント治療シュミレーション

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インプラント治療のコンピューターソフト

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コンピューターソフトによる、様々なデータの解析、分析項目

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インプラント埋入部位の骨の評価(骨の硬さ、骨密度)

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インプラント埋入部位の骨の評価(骨の硬さ、骨密度、骨の長さ、骨の幅)、神経、血管の位置と関係

 

北山吉川歯科クリニックでは、インプラントの手術は、ほんのわずかな時間で終わりますが、そこには、単に、数多くの手術実績や経験によるものではなく、手術前のこのような、十分に時間をかけ、細かく分析、計画された作業によるもので、このような最新のコンピューター技術を応用し、歯ぐきを切開して、骨の状態を直接確認しなくても、骨の状態や、神経、血管の状態を把握し、手術時間の短縮や、手術負担の軽減をしているからです。

また、最終的に入れる歯の方向や状態もシュミレーションすることで、術後の最終の仕上がりまで、慎重で、安全に計画的な治療を行うことにつなげます。