小児の埋伏正中歯の治療について

小児の前歯の生え変わりの時期に、永久歯の前歯が歪んで生えてきたり、なかなか生えてこなかったりしたときは、埋伏正中歯または、埋伏過剰歯が原因であることがあり、かかりつけの歯科医に相談し、レントゲンなどで、きちんとした診察を受ける必要があります。

初診時、右の永久歯前歯が、生え変わっていません。

レントゲンで診ると真ん中に埋伏正中歯(埋伏過剰歯)があり、それが、後続の永久歯前歯の萌出、生え変わりを妨げていました。

埋伏正中歯(埋伏過剰歯)は、お子様の年齢や、発育状態を考慮し、最適な時期に抜歯治療ををしなければなりませんが、基本的には、なるべく早めに発見された状態で、抜歯をするのが、後の悪影響や、矯正治療の負担減になります。

ただし、小児歯科治療の際の、原則で、小児期に、歯科医院のイメージが、良いものになるように心がける必要があります。(お子様の場合、成人の患者様よりも、治療には、意外と、適応、順応性がよく、麻酔を使った、虫歯治療や、根管治療、抜歯治療も、一度、うまく克服、完了してしまえば、治療を受ける自信がつき、マイナスイメージが残ることは少ないものです。)

 

手術をより安全に、なおかつ迅速に行うために、このような場合は、小児であっても、CTを撮影します。(歯科用CTは、コーンビームタイプのため、医科用CTの約20分の1の線量)

レーザーを用いて、なるべく無痛、無出血の手術を行い、なおかつ、後続永久歯が萌出しやすいよう開窓術の状態で、傷口を縫い合わさないようにします。治療は、わずか3分程度で終わります。

 

 

術後7日目の状態です。

後続永久歯が、きちんと萌出してきています。

あとは、最適なタイミングで、簡単な矯正治療で、真っすぐの正常な位置に治せば、その後の影響も見られず、正常な発育状態になります。

 

 

 

矯正・口腔外科治療

通常、永久歯が生えそろうまでに、よく前歯のすきっぱの状態を心配されてご相談を受けることがありますが、多くの場合永久歯の犬歯が生えてくることで、正常な歯並びになります。
しかしながら、歯の生え変わりに伴う異常がある場合もあり、かかりつけ医による発育時の生え変わり状態をレントゲンなどでもきちんとチェックしてもらうことがより良いアドバイスを受けることができるといえます。

埋犬歯による歯並びの異常と矯正治療の阻害のため、他医院より抜歯依頼された患者さんのレントゲンです。


埋犬歯による歯並びの異常と矯正治療の阻害のため、当クリニックへ抜歯を依頼受けた患者さんの術前レントゲンです。
黄色い丸の中に生えることができずに埋まったままになり、なおかつ審美的に非常に重要な前歯の歯並びを大きく乱しています。

CT像です。

黄色い丸の中に深く埋まっています。

埋まっていた犬歯を抜歯しました。

15分ほどで迅速に処置するため、出血、腫れも最小限にします。

適切に取り除かれました。この後は、矯正治療できれいな歯並びになることとおもいます。


別の患者さんですが、同じ様に上の真ん中に犬歯が横を向いて埋まっており、前歯の歯並びを乱すと同時に、前歯の根を溶かし、ぐらぐらするようになってしまっています。

適切に取り除き、当クリニックで抜歯手術、矯正、補綴治療を完了し、将来時期を見てインプラントの治療をすることになっています。

このように、永久歯の生え変わりの時期に、適切にチェックを受け、先天的、後天的な異常があっても、さまざまな歯科治療で解決できます